アーカイブズ学要論アーカイブズ学要論
(中京大学社会科学研究所叢書33)
上代庸平
A5判 334頁
ISBN978-4-86031-110-2
価格本体3000円+税
発刊2014年2月
発行中京大学社会科学研究所
制作・発売 尚学社

内容
 文書管理はあらゆる組織にとって継続的な統治・制度・経営の基礎となるものであり,日本の公文書管理法においても,公文書は「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として」と位置付けられている。
 単に保存し,秘匿するのではなく,公開・利用するためのアーカイブズ形成のために,実務に根差した理論を目指し,行政学・法学・歴史学それぞれの視点から,これまでの史料学・行政管理学の範囲にとどまらない新たな「アーカイブズ学」の構想を説き起こす。

目次
T アーカイブズ学とは何か   檜山幸夫
1.日本において「アーカイブズとは何か」を問う意味
2.アーカイブズとは
3.公文書と歴史学
4.わが国の現状と課題
5.まとめ
U 学としてのアーカイブズ  上代庸平
1.アーカイブズ学は何を扱う学問なのか
2.アーカイブズ学の発展――ドイツにおける公文書学を例に
3.アーキビストの職業的使命
コラム ナチズム建築のアーカイブズ
コラム Wikipediaで見るドイツ連邦公文書館のアーカイブズ
V アーカイブズの射程  土井崇弘
1.アーカイブズは何をどのように取り扱うのか
2.キーワードから見るアーカイブズの射程
3.アーカイブズの魅力と限界
コラム 書記は新人の仕事!?
W アーカイブズの制度理念  上代庸平
1.公文書管理制度はなぜ必要なのか
2.アーカイブズの制度形成
3.アーカイブズの制度形成の実際──ドイツの公文書館の機能
4.わが国におけるアーカイブズの制度形成
コラム 学生は「博士殿」?
コラム 公文書館の「黒い部屋」
X 法とアーカイブズ  早川和宏
1.アーカイブズと法の出会い
2.公文書管理法制とアーカイブズ
3.公文書管理法制定の背景とその過程
4.公文書管理法の内容
5.地方公共団体の公文書管理
6.これからの公文書管理
Y 行政とアーカイブズ  桑原英明
1.行政資料を保存することの意味
2.現用文書と非現用文書
3.公文書館の設置
4.簿冊とファイル
5.公文書館と行政の現場との関係
6.公文書管理制度の課題
Z 歴史とアーカイブズ  東山京子
1.歴史研究におけるアーカイブズの重要性
2.近代公文書学としてのアーカイブズ
3.伝承のアーカイブズ
4.おわりに
[ 世界のアーカイブズ
[概観]  上代庸平
1.ドイツ  上代庸平
2.イタリア  湯上良
コラム 世界中から集う国立文書館利用者
コラム 伝統保護の精神
コラム Divenire(ディヴェニーレ)プロジェクト
3.スペイン  野口健格
4.カナダ  手塚崇聡
5.中国  酒井恵美子
6.台湾  東山京子
資料編
国内のアーカイブズリスト
日本の法令
 公文書等の管理に関する法律
 公文書等の管理に関する法律施行令
 公文書館法
 国立公文書館法
 島根県公文書等の管理に関する条例
 鳥取県公文書等の管理に関する条例
 札幌市公文書管理条例
外国の法令
 ドイツ 〔上代庸平 訳〕
 連邦の記録資料の保存と利用に関する法律(連邦公文書館法)
 バイエルン州公文書館法
 イタリア 〔湯上良 訳〕
 2004年1月22日委任命令第42号「文化財および景観法」
 スペイン 〔野口健格 訳〕
 2011年勅令
 スペイン歴史記憶法
 スペイン歴史遺産法
 カナダ 〔手塚崇聡 訳〕
 カナダ国立図書館と公文書館に関する法律,カナダ国立図書館・公文書館を設立し,著作権,その他法律を改正する法律
  中国 〔酒井恵美子 訳〕
 中華人民共和国档案法
 中華人民共和国档案法実施規則
 台湾
 檔案法  〔鈴木哲造 訳〕
 檔案法施行細則  〔臼井進 訳〕

著者紹介(データは発刊当時)
上代庸平
編者,中京大学国際教養学部准教授・憲法学 U章・W章・[章ドイツ・ドイツ法令翻訳担当
檜山幸夫
中京大学法学部教授・政治史 T章担当
土井崇弘
中京大学法学部教授・法哲学 V章担当
早川和宏
桐蔭横浜大学大学院法務研究科教授,弁護士・行政法 X章担当
桑原英明
中京大学総合政策学部教授・行政学 Y章担当
東山京子
中京大学非常勤講師,中京大学社会科学研究所特任研究員・アーカイブズ学 Z章・[章台湾担当
湯上 良
ヴェネツィア大学大学院史学研究科研究員・歴史学 [章イタリア・イタリア法令翻訳担当
野口健格
慶應義塾大学大学院法学研究科助教・憲法学 [章スペイン・スペイン法令翻訳担当
手塚崇聡
椙山女学園大学現代マネジメント学部専任講師・憲法学 [章カナダ・カナダ法令翻訳担当
酒井恵美子
中京大学国際教養学部教授・言語学 [章中国・中国法令翻訳担当
鈴木哲造
台湾師範大学歴史学研究科博士後期課程・歴史学 台湾法令翻訳担当
臼井 進
台湾萬國専利商標事務所嘱託・歴史学 台湾法令翻訳担当


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